新しいドッグフードを選んだあと、すぐに全部切り替えてよいのか迷う飼い主さんは多いのではないでしょうか。
犬のフードを急に変えると、下痢、嘔吐、食欲低下などの消化器トラブルにつながることがあります。そのため、基本的には今までのフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら、数日かけて切り替えるのがおすすめです。
AAHAでは、犬のフード切り替えは7日間を目安に、古いフードを少しずつ減らし、新しいフードの割合を増やしていく方法を紹介しています。(aaha.org) また、VCA Hospitalsでも、子犬用から成犬用フードへ移行するときは7〜14日かけて徐々に切り替えることをすすめています。(vcahospitals.com)
この記事では、ドッグフードを切り替えるときの混ぜる割合、日数の目安、下痢や嘔吐が出たときの対応、切り替え時に注意したいポイントを分かりやすく解説します。
ドッグフードは急に切り替えない方がよい
ドッグフードは、できるだけ急に変えない方が安心です。
犬の消化器は、新しい原材料、脂質量、たんぱく質量、食物繊維、粒の形状などに慣れるまで時間がかかることがあります。いきなり全量を新しいフードにすると、便がゆるくなったり、吐いたり、食欲が落ちたりする場合があります。
特に注意したいのは、次のようなケースです。
- 子犬
- シニア犬
- 胃腸が弱い犬
- 食物アレルギーが疑われる犬
- 持病がある犬
- 今まで食べていたフードと原材料が大きく違う場合
- ドライフードからウェットフードへ変える場合
- 脂質が高いフードへ変える場合
元気な成犬であっても、基本は少しずつ切り替えるのがおすすめです。
基本の切り替え期間は7日〜10日が目安
一般的なドッグフードの切り替えは、7日〜10日ほどを目安に進めます。
AAHAでは、犬は7日かけて新しいフードへ移行する方法を紹介しており、最初は今までのフード75%・新しいフード25%から始める流れになっています。(aaha.org) Purina Instituteでも、現在のフードの4分の1ずつを新しいフードに置き換え、7日で切り替える方法が紹介されています。(purinainstitute.com)
基本の割合は次の通りです。
| 日数 | 今までのフード | 新しいフード |
|---|---|---|
| 1〜2日目 | 75% | 25% |
| 3〜4日目 | 50% | 50% |
| 5〜6日目 | 25% | 75% |
| 7日目以降 | 0% | 100% |
この方法で問題なく食べられていて、便の状態も安定していれば、7日目以降に新しいフードへ完全に切り替えます。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。犬によっては10日〜14日ほどかけた方がよい場合もあります。
胃腸が弱い犬は10日〜14日かける
胃腸が弱い犬や、過去にフード変更で下痢をしたことがある犬は、通常よりゆっくり切り替えるのがおすすめです。
VCA Hospitalsでは、フードを切り替える際は消化器トラブルを避けるために7〜14日かけることをすすめており、切り替え中に軟便、嘔吐、食欲低下が見られた場合は移行を遅らせ、24時間以内に改善しなければ獣医師へ相談するよう説明しています。(vcahospitals.com)
胃腸が弱い犬の場合は、次のようにゆっくり進めてもよいでしょう。
| 日数 | 今までのフード | 新しいフード |
|---|---|---|
| 1〜3日目 | 90% | 10% |
| 4〜6日目 | 75% | 25% |
| 7〜9日目 | 50% | 50% |
| 10〜12日目 | 25% | 75% |
| 13〜14日目 | 0% | 100% |
途中で便がゆるくなった場合は、無理に次の段階へ進めず、ひとつ前の割合に戻すか、同じ割合を数日続けます。
切り替え時は「グラム」より「カロリー」も確認する
フードを切り替えるときは、混ぜる割合だけでなく、カロリーも確認しましょう。
同じ100gでも、ドッグフードによってカロリーは違います。今までのフードが100gあたり330kcalで、新しいフードが100gあたり400kcalの場合、同じグラム数を与えると摂取カロリーが増えてしまいます。
切り替え時に確認したいのは、次の3つです。
- 今までのフードの100gあたりカロリー
- 新しいフードの100gあたりカロリー
- 愛犬の1日あたりの必要量
Purina Instituteでも、フード切り替え時には過剰給餌を避けるため、新しいフードの給与量目安を確認することが大切だと説明しています。(purinainstitute.com)
新しいドッグフードの給与量が分からない場合は、パッケージの給与量表を確認し、愛犬の体重や体型に合わせて調整しましょう。
ペトくら編集部同じ100gでも、フードによってカロリーは違います。切り替え後に体重が増えたり減ったりしないよう、給与量表も一緒に確認しておきましょう。
混ぜる割合は「1回分ずつ」測ると失敗しにくい
ドッグフードを切り替えるときは、1日分をまとめて混ぜるより、1回分ずつ測る方が分かりやすいです。
たとえば、1回の食事量が40gの場合、1〜2日目は次のようにします。
- 今までのフード:30g
- 新しいフード:10g
これで、今までのフード75%、新しいフード25%になります。
3〜4日目は、
- 今までのフード:20g
- 新しいフード:20g
5〜6日目は、
- 今までのフード:10g
- 新しいフード:30g
7日目以降は、
- 新しいフード:40g
という流れです。
目分量で混ぜると、日によって割合が変わりやすくなります。特に小型犬は数gの差が大きいため、キッチンスケールで測るのがおすすめです。
切り替え中に見るべきチェックポイント
ドッグフードの切り替え中は、食べるかどうかだけでなく、体調の変化も確認しましょう。
特に見たいのは次のポイントです。
- 便の硬さ
- 便の回数
- 嘔吐の有無
- 食欲
- 元気
- かゆみ
- 皮膚の赤み
- 耳の状態
- 涙やけの変化
- 体重の変化



切り替え中は、便の状態と食欲だけでも簡単にメモしておくと変化に気づきやすくなります。写真で記録しておくのもおすすめです。
切り替え直後に便が少し柔らかくなる程度で、元気や食欲があるなら、移行スピードを少し遅くして様子を見ることもあります。
一方で、下痢が続く、何度も吐く、元気がない、血便がある、水も飲まないなどの症状がある場合は、フードの問題だけでなく病気の可能性もあるため、早めに動物病院へ相談してください。
下痢をしたときの対応
フード切り替え中に下痢をした場合は、まず切り替えスピードが早すぎなかったか確認します。
対応の目安は次の通りです。
- 軽い軟便なら、同じ割合を数日続ける
- 便がゆるい場合は、ひとつ前の割合に戻す
- 下痢が続く場合は、新しいフードを一時中止する
- 元気がない、嘔吐がある、血便がある場合は受診する
VCA Hospitalsでは、食事変更中に軟便、嘔吐、食欲低下が見られる場合は移行を遅らせ、症状が24時間以内に正常化しない場合は獣医師へ連絡するよう説明しています。(vcahospitals.com)
自己判断で下痢止めを使うのは避けましょう。特に子犬、シニア犬、持病のある犬は、下痢によって脱水や体調悪化につながることがあります。
吐いたときの対応
切り替え中に吐いた場合も、まずは様子をよく観察します。
一度だけ吐いて、その後元気があり、水も飲めている場合は、フード変更の負担や食べるスピードが関係していることもあります。この場合は、切り替え割合を戻す、食事量を少量に分ける、早食い防止食器を使うなどの方法があります。
ただし、次のような場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
- 何度も吐く
- 吐いた後にぐったりしている
- 水も飲めない
- 下痢もある
- 血が混じっている
- お腹が張っている
- 異物を飲み込んだ可能性がある
- 子犬・シニア犬・持病がある
フードの切り替え時期と重なっているだけで、別の病気が原因の場合もあります。嘔吐が続くときは、無理に食べさせず受診を検討しましょう。
食べないときはどうする?
新しいドッグフードを混ぜた途端に食べなくなる犬もいます。
この場合、味やにおい、粒の大きさ、食感に違和感を持っている可能性があります。
まずは次の方法を試してみましょう。
- 新しいフードの割合を10%程度まで減らす
- ぬるま湯で少しふやかす
- 今までのフードのにおいをしっかり残す
- 食事時間を決めて、食べなければ片付ける
- おやつや人の食べ物を減らす
- 別の場所で落ち着いて食べさせる
ただし、まったく食べない、元気がない、嘔吐や下痢がある場合は、単なる好き嫌いではない可能性があります。
「新しいフードが嫌いなのかな」と決めつけず、犬がドッグフードを食べないときは体調の変化も一緒に確認しましょう。
フードを切り替えるタイミング
ドッグフードを切り替えるタイミングは、できるだけ犬の体調や生活が安定している時期がおすすめです。
避けたいのは、次のようなタイミングです。
- 引っ越し直後
- 旅行中
- ペットホテル利用中
- 来客が多い時期
- 体調を崩しているとき
- ワクチン接種直後で体調に変化が出やすいとき
- 手術や治療の前後
- 季節の変わり目で食欲が不安定なとき
生活環境が変わったタイミングでフードまで変えると、食欲低下や下痢の原因が分かりにくくなります。
できれば、普段通りの生活ができていて、便や食欲も安定している時期に切り替えましょう。
子犬のフード切り替えで注意すること
子犬は成長期のため、フード選びと切り替えには特に注意が必要です。
子犬用フードから成犬用フードに変える時期は、犬種や体格によって異なります。小型犬は比較的早く成犬に近づきますが、大型犬は成長期間が長いため、切り替え時期も異なります。
VCA Hospitalsでは、子犬用から成犬用フードへ切り替えるときは7〜14日かけて徐々に移行し、軟便、嘔吐、食欲低下があれば移行を遅らせるよう説明しています。(vcahospitals.com)
子犬の場合は、次の点にも注意しましょう。
- 成長期用の総合栄養食を選ぶ
- 成犬用への切り替え時期を早めすぎない
- 食べない時間が長くならないようにする
- 下痢や嘔吐があれば早めに相談する
- 大型犬は大型犬子犬用フードの必要性を確認する
成犬用への切り替え時期に迷う場合は、動物病院で相談すると安心です。
シニア犬のフード切り替えで注意すること
シニア犬は、若い成犬よりもフード変更の影響を受けやすいことがあります。
歯や口の痛み、消化機能の変化、腎臓や心臓などの持病、食欲の低下が関係することもあるため、単純に「シニア用」と書かれたフードへ変えればよいとは限りません。
シニア犬で注意したいポイントは次の通りです。
- 急に切り替えない
- 10日〜14日ほどかけてゆっくり移行する
- 体重の変化を見る
- 水を飲む量や尿の量を見る
- 口臭や歯の状態を見る
- 持病がある場合は獣医師に相談する
特に、療法食を食べている犬は、自己判断で一般フードに変えないようにしましょう。
療法食へ切り替える場合は獣医師の指示を優先する
腎臓病、心臓病、尿石症、アレルギー、消化器疾患などで療法食を使う場合は、必ず獣医師の指示に従いましょう。
療法食は、病気の管理を目的として栄養バランスが調整されているフードです。自己判断で途中でやめたり、別のフードと混ぜたりすると、治療方針に影響することがあります。
WSAVAの栄養ガイドラインでは、犬猫の栄養管理は個体に合わせて評価し、食事内容、給与量、生活環境などを総合的に確認することが重要とされています。(wsava.org)
療法食に切り替える場合は、次の点を確認しましょう。
- 何日かけて切り替えるか
- 今までのフードと混ぜてよいか
- おやつやトッピングを使ってよいか
- 食べない場合の対応
- 体重や症状の確認方法
- 再診のタイミング
「食べないから少しだけ前のフードを混ぜる」という対応も、病気によっては避けた方がよい場合があります。必ず獣医師に確認しましょう。
ドライフードからウェットフードへ切り替える場合
ドライフードからウェットフードへ切り替える場合も、基本は少しずつです。
ウェットフードは水分量が多く、食感やにおいが大きく変わります。食いつきが良くなる犬もいますが、急に多く与えると便がゆるくなる場合があります。
切り替えるときは、次の点を確認しましょう。
- カロリーが大きく違わないか
- 1日に必要な量が増えすぎないか
- 食べ残しを長時間置かない
- 開封後の保存方法を守る
- 便の状態を見る
ウェットフードは100gあたりのカロリーがドライフードより低い商品が多いため、同じグラム数ではカロリー不足になることがあります。給与量は必ず商品表示を確認しましょう。
ウェットフードからドライフードへ切り替える場合
ウェットフードからドライフードへ切り替える場合は、硬さや香りの違いで食べにくく感じる犬もいます。
特に、子犬やシニア犬、歯が弱い犬は、急にドライフードへ変えると食べなくなることがあります。
対策としては、次の方法があります。
- 最初はドライフードを少量だけ混ぜる
- ぬるま湯でふやかす
- ウェットフードの香りを残しながら混ぜる
- 粒の小さいフードを選ぶ
- 口や歯の痛みがないか確認する
噛みにくそうにする、口からこぼす、食べるのに時間がかかる場合は、フードの問題だけでなく口腔トラブルの可能性もあります。
切り替えに失敗しやすいパターン
ドッグフードの切り替えで失敗しやすいのは、次のようなケースです。
- 初日から全量を新しいフードにする
- 便がゆるいのに割合を増やす
- 食べないたびに別のフードを出す
- 短期間で何種類も試す
- おやつやトッピングを増やしすぎる
- 新しいフードのカロリーを確認していない
- 体調不良をフードの好みと勘違いする
- 家族で与え方が統一されていない
特に、「食べないから別のフードを買う」を繰り返すと、犬が新しいフードに慣れる前に切り替わってしまい、余計に食べムラが出ることがあります。
まずは1種類のフードで、割合をゆっくり変えながら様子を見ることが大切です。
切り替え前に準備しておくもの
スムーズに切り替えるために、事前に次のものを準備しておきましょう。
- 今までのフード
- 新しいフード
- キッチンスケール
- 保存容器または密閉クリップ
- 給餌量をメモするノート
- 便や食欲を記録するメモ
- 必要に応じてぬるま湯
特に、今までのフードは切り替え期間中に必要です。新しいフードを開ける前に、古いフードを使い切ってしまわないように注意しましょう。
理想は、古いフードが1週間〜2週間分ほど残っている状態で新しいフードを開けることです。
よくある質問
ドッグフードの切り替えは何日かければいいですか?
一般的には7日〜10日ほどが目安です。
元気な成犬で胃腸が強い犬なら7日程度で切り替えられることもあります。一方で、胃腸が弱い犬、子犬、シニア犬、過去にフード変更で下痢をした犬は、10日〜14日ほどかけてゆっくり切り替えると安心です。
ドッグフードを混ぜる割合はどれくらいですか?
基本は、1〜2日目は今までのフード75%・新しいフード25%、3〜4日目は50%ずつ、5〜6日目は今までのフード25%・新しいフード75%、7日目以降に新しいフード100%が目安です。
ただし、便がゆるくなる場合は、同じ割合を数日続けるか、ひとつ前の割合に戻しましょう。
急にフードを変えるとどうなりますか?
急にフードを変えると、下痢、嘔吐、食欲低下などが起きることがあります。
犬によっては問題なく食べられる場合もありますが、基本的には少しずつ切り替える方が安心です。
新しいフードを混ぜたら食べなくなりました。どうすればいいですか?
まずは新しいフードの割合を減らして、10%程度から始めてみましょう。
ぬるま湯で香りを立てる、粒をふやかす、食事環境を落ち着かせるなどの方法もあります。ただし、元気がない、嘔吐や下痢がある、まったく食べない場合は、動物病院へ相談してください。
下痢をしたら新しいフードはやめるべきですか?
軽い軟便で元気がある場合は、切り替えを一度止めて、同じ割合を数日続けるか、ひとつ前の割合に戻します。
下痢が続く、嘔吐がある、元気がない、血便がある場合は、新しいフードを一時中止し、動物病院へ相談しましょう。
古いフードがもうありません。急に切り替えても大丈夫ですか?
できれば避けたいですが、古いフードがない場合は、新しいフードを少量ずつ与え、便や嘔吐の有無をよく確認しましょう。
1回量を少なめにして、回数を分けると胃腸への負担を抑えやすいです。胃腸が弱い犬や子犬、シニア犬では、早めに動物病院へ相談すると安心です。
まとめ
ドッグフードを切り替えるときは、今までのフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら、7日〜10日ほどかけて移行するのが基本です。
一般的な目安は、次の流れです。
- 1〜2日目:今までのフード75%、新しいフード25%
- 3〜4日目:今までのフード50%、新しいフード50%
- 5〜6日目:今までのフード25%、新しいフード75%
- 7日目以降:新しいフード100%



この割合はあくまで目安です。便がゆるくなったり食欲が落ちたりした場合は、無理に次の段階へ進めず、同じ割合を数日続けても大丈夫です。
胃腸が弱い犬、子犬、シニア犬、持病がある犬は、10日〜14日ほどかけてゆっくり進めると安心です。
切り替え中は、食いつきだけでなく、便、嘔吐、元気、体重、皮膚の状態も確認しましょう。便がゆるい、吐く、食べないなどの変化が出た場合は、無理に進めず、割合を戻すか動物病院へ相談してください。
フードの切り替えは、愛犬の体に新しい食事を慣らす期間です。焦らず、少しずつ、愛犬の様子を見ながら進めていきましょう。







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